情熱と太陽の国”スペイン”「闘牛」文化との密接な関係

こんにちは。
寒い日が続くと暖かい気候が恋しくなってきますね。
そんな日は旅を愛する者の目線としては暖かそうな国に着目したくなります。
そこで今日のテーマとなる国は。。。。

情熱と太陽の国 スペイン

今日、注目する国は「情熱と太陽の国 スペイン」です。
建築物を始めとした芸術や、音楽、踊り。
地中海地方ならではの料理に溢れていますね。
一度では足りないほど観光の見どころであふれています。
スペインの中でも様々な観光テーマがありますが
本日の記事の観光テーマは「闘い」です。
でも人間通しの闘いではありませんよ。

スペインと言ったら「闘牛」その存在意義は?


さてスペインで有名な行事に「闘牛」なるものがあります。
名前の通り「牛」と「牛」が闘ったり、「牛」と「闘牛士」が闘ったりする競技です。

皆さんのスペインの闘牛のイメージはどうでしょうか?
赤い布を使って、突進してくる牛をうまくかわすイメージかと思います。
ですが実際の「闘牛」はその皆さんのイメージを覆す激しさがあります。

〇槍や剣を使って、闘牛をザクザク刺していく
〇全ての闘牛は最後に必ずその場で殺されます

そして「牛」と闘う「闘牛士」はまさに命がけの仕事です。
命を落とすことも実際にあるのです。

以下、出典スペインの人気闘牛士、牛に角で刺されて死亡 フランスより転載
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【6月18日 AFP】(写真追加)フランス南西部エールシュルラドゥール(Aire-sur-l’Adour)で17日、スペイン人の一流闘牛士が牛に角で刺され、搬送先の病院で死亡した。医療関係者が明らかにした。

 死亡したのはスペイン北部バスク(Basque)出身の人気闘牛士、イバン・ファンディーニョ(Ivan Fandino)氏(36)。仏エールシュルラドゥールで開かれていた闘牛祭で闘牛に出場中、マントに足を取られてよろめいた際に牛に突かれ、その角がファンディーニョ氏の肺に刺さった。

 闘牛は数百年の歴史を持つスペインの伝統競技。1年の開催回数は約1800回、計600万人の観衆を集める。闘牛はスペインの文化に不可欠な芸術のひとつだという声がある一方、動物愛護の観点から闘牛廃止を求める当局への圧力はますます高まっている。(c)AFP
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闘牛士はかっては危険性を伴うことと、闘牛に対する人気から尊敬の対象とされていました。
しかし最近では動物愛護団体からの強い批判や市民の間で賛否両論が起こっています。
そのためバルセロナでは、2012年に闘牛は禁止されました。

ではその「闘牛」がいつ始まったのでしょうか?
その闘牛の歴史を語ると不明慮な事が多いのですが、
スペインでは西ゴート王国(415年 – 711年)がイベリア地方を統治していた時代に円形闘技場で闘牛が行われていた記録が残っておりこれが発祥ではないかとされています。
しかしながら具体的な記録が残っているのは11~12世紀頃です。
どうやら「牡牛信仰」が「闘牛」の発祥の可能性があります。

以下、出典September 08.2012 『闘牛の歴史とエロティシズム』 スペインを貫く生と死のドラマより転載
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パブロ・ピカソ『闘牛士の死』
闘牛(コリーダ)の起源について詳しいことは分かっていませんが、大体次の4つの説が唱えられてきました。

①イスラム起源説
②ローマ起源説
③牡牛信仰起源説
④イベリア起源説

近年の歴史研究において①~③は全面的に否定され、④のイベリア起源説が最有力視されています。
11世紀、12世紀に馬上の騎士の訓練の一環として始まり、16世紀ごろから徐々に様式化され、同時期に民衆の間でも「牛追い祭」などが開催されるようになります。
18世紀に入り、貴族闘牛と民衆闘牛は融合を見せ、現代闘牛に近い形へと発展します。
この時、コリーダの洗練に重要な役割を果たしたのは、セビーリャの屠殺場と言われています。
従業員は屠殺の際に牛を走らせ、見物人たちは屋根の上からその様子を見て楽しんでいました。
こうした中で、角を避ける身のこなしや、エストカーダ(刺殺)の技術が磨かれていきます。
市当局は、貴族に代わって闘牛を行う者を探すとき彼らに目をつけ、彼らの活躍によって馬に乗らない闘牛が整備されていきます。
様々な資料から、さらに他起源説の誤謬からも、おそらくイベリア起源説は間違いなさそうですが、それでもこう信じたい。
闘牛の起源は古代の牡牛信仰であると。
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では闘牛の発祥とされる牡牛信仰とは何でしょうか?
昨日の記事「アナと雪の女王」と「ヴァイキング」と「ノルウェーのスターブ教会」の関係は・・・にてキリスト教の教会に悪魔崇拝である「龍」が入り込んだ話をしました。
実は牡牛信仰はその悪魔崇拝にも通じる話です。
以下、出典蛇信仰と牛信仰より転載
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ユダヤ・キリスト教において、蛇はサタン(悪魔)とよばれる霊的存在である。エバを誘惑して罪を犯させたからだ。ではどんな罪だったのだろうか。禁断の実とは「性」のことであり、取って食べるなとは、成長し完成するまで性関係を結んではならぬという戒めである。本来アダムとエバは成長期間を経て完成し、結婚して子孫(神の血統)をつくるという創造原理があった。にもかかわらず蛇はエバを誘惑して不倫な性関係を結び、血統的存在を残した。それがカインである。次にエバは本来の相手がアダムだと気づき、アダムを誘惑して性関係を結んだ。この血統がアベルである。人間よりはるかに劣る万物を神(親)とするカインもアベルも罪の血統であるが、蛇を神とするカインより牛を神とするアベルの方が、より創造原理に近いということになる。血統は遺伝するので、全人類は堕落人間となってしまったのであり、常にこの二つの血統が争う世界となってしまった。カインがアベルを殺害したことにより、世界を支配したのは性と豊穣の神、蛇神ということになったのである。蛇というのは霊的な存在であるが、本来神の使いであった天使長ルーシェルを指している。
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中国や日本の神話では牛はあまり登場しませんが、西洋社会においては龍や蛇に対抗する勢力として大きな役割を果たしています。
それこそ太陽族(鳥、牡牛)と太陰族(龍、蛇)の二大トーテムとまで考える人もいます。
実際にスペインが闘牛が盛んな事から、牡牛信仰→太陽族とすれば「太陽の国」と称されているのも合点がいきます。
そして闘牛において牛の興奮をあおるのに赤い布(ムレータ)が使われています。
これは牛は赤いものを見ると興奮すると思われがちですが、実際には牛の目は色を区別出来ません。
そして闘牛士は色でなく動きで興奮をあおっているのです。
どちらかと言うと赤い布で興奮するのは闘牛士です。

これを解いていくと太陽族であるスペインが牡牛信仰から始まった闘牛を国技にしている訳が理解出来るかと思います。
さて動物愛護の観点から最近では闘牛人気の凋落が見られておりますが、伝統的観点から闘牛はスペイン人の間で根強い愛着心は残っています。

普段は選ばれた闘牛士しか参加出来ない闘牛ですが、カペアと呼ばれる素人が参加出来るミニ闘牛も年に一回
スペイン・サラマンカ県シウダッド・ロドリーゴのマジョール広場にて開催されています。
名付けて「闘牛カーニバル」です。


◆スペイン、『闘牛カーニバル』(サラマンカ県シウダッド・ロドリーゴ)
カルナバル・デル・トーロ Carnaval del Toro (Ciudad Rodrigo)

= 2019年3月1日~5日開催 =

サラマンカ県シウダッド・ロドリーゴで毎年2~3月に行われるカーニバル。歴史も古く、カーニバルで闘牛や牛追いが行われるのはここが唯一。マジョール広場に特設の闘牛場が設けられ、カペア(Capea)と呼ばれる素人が参加できるミニ闘牛が行われます。

素人でも気軽に参加出来るミニ闘牛です。
動物愛護の観点からしても闘牛の是非は問われておりますが「スペイン人」の気質を感じる意味でもこのようなイベントを覗いてみると見聞を広げる意味でも良いかと思います。

「闘牛カーニバル」の開催地であるサラマンカ県はスペインの首都マドリッドからも遠く
電車で6時間余りとかなりの長旅になるかと思いますがご興味ある方はお気軽にご相談下さいね。

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