ラトビア・リガの「森の民芸市」から知るラトビア人と日本人の共通性

こんにちは。
本日の話題は「バルト三国」ですよ。
*リトアニアの首都「ヴィリニュス」の写真です。

バルト三国ってどこ?どんな国?と言う方も多いかと思います。
バルト三国は北欧フィンランドとロシアの間にある三ヶ国です。
観光地としてみればそれぞれの首都が街自体が世界遺産に登録されている魅力ある街です。

そしてバルト三国はかってはロシア帝国に支配されていました。
しかしながら独ソ不可侵条約の締結から50年目にあたる1989年8月23日に、この条約の締結に抗議して、
約100万~200万の人々が三国の首都タリン、リーガ、ヴィリニュスを「人間の鎖」で結びました。
その結果として独立に結び付いたのですが、このニュースは世界で大きく注目されました。
当時のバルト三国の総人口は約800万弱でしたので、少なくとも共和国民の8人に1人がこれに参加したことになりますからね。

そしてこの団結力等からバルト三国は北からエストニア・ラトビア・リトアニアと連なっているのでひとくくりにする人が多いのですが、実際にはそれぞれの国では独自のアイデンティティーを持っているので、バルト三国とひとくくりにされるのを嫌がっている国民が多いのです。

三国の特徴として宗教で分類すると分かりやすいです。
以下の3つに分かれます。

エストニア→キリスト教(プロテスタント)
ラトビア→ラトビア神道
リトアニア→キリスト教(カトリック)

一番良いのは「3か国」周遊して見聞する事です。
それぞれの宗教観が国に反映されていて興味深いですよ。
さて今日のメイントピックは「ラトビア」なのですが、その国民性が如実に反映されるイベントを紹介させて頂きます。

ラトビアの「森の民芸市」

ラトビアの首都・リガで毎年6月に開催される「森の民芸市」です。
2019年は6月1日(土)、6月2日(日)に開催されます。
1年に1度のこちらのイベントはリガ中心部から車で1時間半のユグラ湖畔に位置する「ラトビア野外民俗博物館」で開催。その様子を写真でご覧下さい。

ラトビア国内から選りすぐりの職人たちが一同に集まり、ラトビアの伝統工芸品に出会えるまたとないチャンスです。

ラトビアの自然が調和したクラフトに触れるとワクワクしてきませんか?
そしてそれらを上手く芸術化した職人達の技を見て、気になる作品を賛美して下さい。
きっとあなたも自然から何かを作ってみたくなりますよ。

興味持たれた方はせっかくなのでラトビアに行って見ませんか?
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森の民芸市にいく!リガ&タリン&ヘルシンキ

ラトビアに行く事を決心されたらならば、その国の文化を学ぶと旅の楽しみが増加します。
せっかく行かれるならば文化や国民性を勉強していきましょう。

「ラトビア野外民族博物館」はラトビア人の民族アイデンティティー

「森の民芸市」の会場となるのは前述した通り「ラトビア野外民族博物館」。

古代ラトビアの農夫や漁師の生活を楽しむ事が出来ます。
ラトビアの文化歴史を体験するのにうってつけの施設です。
伝統的な儀式や工芸品だけでなくラトビアの歴史は興味深いです。

まずラトビアの歴史やアイデンティティーで大きなウェイトを占めているのが、彼らの宗教である「ラトビア神道」です。「ラトビア神道」は太陽神サウレを中心とした自然&先祖崇拝が基本の宗教。
そして「ラトビア神道」の象徴として独自の「紋様」があります。
この紋様は信者を守り、力や美を与えるとされています。

〇典型的な紋様

一方、民謡やおとぎ話、伝統では昔の生活がたくさん描かれています。
その慣習の最たるものは夏至祭、2月に行われるメテニ祭、そして春分祭に行う卵の絵付けなどがあります。
そうです。ラトビア文化は昔の生活が象徴なのです。

これらのラトビアの文化について学ぶのに絶好の場所は、やはり「ラトビア民俗野外博物館」なのです。
では昔からの文化を大事にしているラトビア人はどのようなタイプの人が多いのでしょうか?

出典 ラトビア政府観光局ラトビア人とは?より転載
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これらの説明はラトビア人がいかなる民族かということをひも解くには、あまりにも簡潔で役に立たないかもしれないが、一応説明しておこう。標準的なラトビ ア人は青い目をしており、髪はブロンド、勤勉で謙虚なタイプです。目立つことが好きではなく、何よりも思いやりのある人々です。また正直者で、気取らない 性格です。おしゃべりではなく、控えめで、「話すことは銀、沈黙は金」というラトビアの諺を反映しています。

同じラトビア人でも色々な人がいます。リガに住む人々は近郊の田舎に住む人たちとはまったく異なりますが、ラトビア人としての意識は同じです。祖国を愛 し、環境を保護し、土地や財産を大切にします。ラトビア人は個人主義者で人付き合いを避けると言われますが、しかし必要に応じて団結し、偉業を成し遂げま す。「Singing Revolution and the Baltic Way」として、1989年何十万というラトビア人が、彼らの民族や宗教を軽んじるソ連からの独立を勝ち取るため立ち上がりました。

静穏と忍耐はラトビア人を表すもっとも適切な言葉です。と同時にラトビア人は、楽しく陽気で、かつ偉大な歌い手です。最初のうちラトビア人はあまり親しく 接しませんが、本当は違います。本当は親切で優しく、訪れる人に最高のもてなしをする人達です。国やその文化、自然を愛するという彼らの民族性において、 ラトビア人はゲストを特別扱いせず、自分たちと同様に接します。
・・・・・・・・・・・転載終了・・・・・・・・・・
「沈黙は金」
「静穏と忍耐」

なんだかどこかの国と似ていませんか?
「日本人」の性質?

なぜ共通するのでしょうか?
その理由はラトビア人の信仰する「ラトビア神道」が「日本神道」に通じるものがあるからです。
ラトビアは日本と同じく自然崇拝の国。古来から、自然を神様とし、信仰の対象とし、
井戸やかまどといった様々な物体に女性の神様の存在を見出してきています。
ここでは言及しませんが「日本神道」に通じるものが多いですね。

現在のラトビアの宗教観の調査では以下の通りの興味深い結果が出ています。
出典よりラトビアは主にキリスト教なのですか? 全然宗教に詳しくなくて分かりません…。 カトリックとそうでないより転載
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ラトビア共和国は2016年春に実施された「ラトビアにおける宗教アイデンティティ」世論調査(選択式ならぬ書込式)で判明した構成は、無宗教者50%、キリスト教(ルーテル派、カトリック派、ロシア正教会など諸宗派)22%、ラトビア神道20%、ペイガニズム(ラトビア神道以外の自然崇拝)4%、その他の宗教(回教、ヒンズー教など)3%、「神を信じる」(宗教名を特定せず)1%とのこと。
 キリスト教化以前から土着信仰としてのラトビア神道そのものを、宗教ではなく習慣・民俗と見做し、従来(2016年迄)の宗教統計や選択式の調査で殆ど取り上げず、ラトビア神道信者があたかも存在しないかのように歪んだ印象を与えっぱなしであったが、2016年春の調査で、キリスト教徒数に近いその信者数が目から鱗が落ちるようである。ご参考までに。一度「ラトビア神道」を検索すればいかがでしょうか。
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ラトビア人の間で自分は「ラトビア神道」の信仰者と認識している人は少ないのですね。
また「無宗教者」が50%と大半を占めています。
日本でも多くの人々が無宗教であると認識している人が多いと思います。
ですが「初詣」「大晦日」「七五三」・・・無意識のうちに「日本神道」の行事に参加している日本人の多い事でしょう。
同様に「ラトビア神道」そのものが習慣・民俗に入り込んでいるので、知らない内に「ラトビア神道」に入り込んでいるラトビア人が多い事が考察されます。

この事からも「神道」=「無宗教」と言う名の共通の「宗教」が、日本・ラトビア両国の国民アイデンティティーを作り上げたと言っても過言では無いと仮説が立てられますね。

そしてもう一つの共通性があります。
それは色々と混ぜてしまう文化性です。
こちらの写真は何だか分かりますか?
実は「ラトビア野外博物館」にある(お墓?)のですが、十字架の上に神道のシンボルである、「山」を載せています。
これは「キリスト教」がラトビアに普及してきた際に、それに脅かされた「ラトビア神道」が生き延びるためにキリスト教に入り込んだのと一緒かもしれません。

実際に日本では「神仏習合」(神道と仏教をごちゃ混ぜ)をしたり、キリスト教徒でない人達がクリスマスをお祝いしています。ほとんどの人々は無意識のうちにイベントとして捉えているだけなのでしょうが。

先日の記事でもノルウェーにキリスト教が入り込んだのを、ヴァイキングの蛇(龍)信仰が阻止した話を載せましたが、「ラトビア神道」や「日本神道」も共通するものがあるのかもしれませんね。

【参考記事】
「アナと雪の女王」と「ヴァイキング」と「ノルウェーのスターブ教会」の関係は・・・

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